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セファランチンを使ってる先生いるかな?

覚書です。北九州で積極的に使ってる動物病院があるみたいです。
犬猫では全国的には症例が少ないです。
フェレだと使ってるところは結構ありました。
確かFIPのみたらし君の時に、
野村先生のところでもインターフェロンと一緒に注射していたような?
記憶が曖昧ですが...

腎臓病の猫ちゃんでは、期待して使っている人も多いみたいだけど、
何種類もの薬と併用してて、セファランチン単体の効果ははっきり分らない。
でも口内炎には効果が明らかに出たって記述は多い。
または猫の抗がん剤治療による白血球減少には効果的だったが、貧血の進行は止められなかった。という報告も読んだ。


これは↓人間の癌クリニックに出ていたセファランチンの説明ページの1部。
ちなみに父の執刀医(すい臓がん消化器外科医)は
「そんな効果ある薬ならどこでも使うでしょ」とバッサリ。
でもヒトじゃなくて、イヌだから....なら、わたしも質問するなって感じですが。汗
10mgのアンプルは2010年にリコールで回収されてるみたい。
実はこれ、1mgの錠剤は、うちにもあるのだ。
(父がTS-1を使っているので前に1箱ほど入手してみた。父には飲ませてないけど)
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抗がん剤の分類の中に植物アルカロイドという種類があります。アルカロイド (alkaloid) は窒素原子を含み、塩基性を示す天然由来の有機化合物の総称で、毒性や薬効を持つため、薬として利用されているものも多くあります。
例えば、モルヒネやコカインやニコチンなども植物アルカロイドです。
その毒性を利用して抗がん剤として使用されているものもあります。植物アルカロイドから開発された抗がん剤として、ビンカアルカロイド(ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビンなど)、タキサン系(パクリタキセル、ドセタキセル)、イリノテカン、エトポシドなどがあります。
抗がん作用をもつ薬草の活性成分として植物アルカロイドが多く見つかっています。

セファランチン (cepharanthine) は、ツヅラフジ科の植物タマサキツヅラフジの根から抽出したアルカロイド、あるいはそれを含む医薬品です。
医薬品としては、日本の製薬メーカー化研生薬が製造販売しており、散剤、錠剤、注射剤の剤形があります。医薬品としてのセファランチンには、セファランチン、イソテトランドリン、シクレアニン、ベルバミンが主な成分として含まれています。これらはビスコクラウリン型アルカロイド(biscoclaurine alkaloid)と言います。
タマサキ(玉咲)ツヅラフジは台湾の標高700mの山地に自生する雌雄異株のツル性の多年草で、古くから原住民により蛇咬傷時の民間薬として珍重されていました。生薬名は白薬子(ビャクヤクシ)と言います。
1914年に当時の台北帝国大学教授の早田文蔵博士が Stephania cepharantha Hayata の学名で発表し、1917年にタマサキツヅラフジと命名しました。
その後1934年に近藤平三郎博士(当時東京帝国大学教授)らによって、有効成分としてセファランチンなどのアルカロイドが分離されました。



セファランチンは結核菌の発育を阻止する効果が認められ、1942年に結核の治療及び予防の医薬品として承認されています。
現在では、放射線による白血球減少症、円形脱毛症、粃糠性脱毛症、滲出性中耳炎、マムシ咬傷の治療薬として保険適用されています。(薬価収載1969年)
保険適応されていませんが、口内炎にも効果があります。
医薬部外品としては、白薬子抽出エキスは毛母細胞の増殖を促進する作用があることから、育毛剤にも使用されています。
さらに、最近の研究で、がん細胞の増殖を抑制する効果やアポトーシスを誘導する作用、血管新生阻害作用など、がん治療における有効性が報告されています。
副作用は極めて少なく(副作用の発生率は1%以下で、主な副作用は食欲不振や胃部不快感や発疹など)、しかも安価であるため、がんの代替医療として、試してみる価値は高いと言えます。
セファランチンの抗がん作用として以下のような報告があります。

○ がん組織の血管新生を阻害してがんの増殖を抑制する。

血管内皮細胞増殖因子(VEGF)とインターロイキン-8(IL-8)は腫瘍組織の血管新生に関わっており、VEGFやIL-8の発現や活性を阻害することはがん組織の増殖抑制に効果があります。また、転写因子のNF-κバァVEGFやIL-8の発現を高めることが知られています。口腔がん(扁平上皮がん)細胞を使った実験で、セファランチンはNF-κBの活性を阻害し、VEGFとIL-8の発現を抑制して、血管新生を阻害することを、培養細胞を使った実験と移植腫瘍を使った動物実験で確かめられています。(Int J Oncol. 35:1025-35, 2009年.)

○ セファランチンは転写因子のNF-κBの活性を阻害することによってがん細胞の増殖を抑える。

転写因子のNF-κBはがん細胞の増殖を促進し、細胞死を起こりにくくして抗がん剤に抵抗性にする作用があります。血管新生を促進する作用もあります。
胆管細胞がんの培養細胞株を使った実験で、セファランチンはがん細胞のNF-κBの活性を阻害し、アポトーシス(細胞死)を誘導する作用が報告されています。マウスに胆管細胞がん細胞を移植した実験では、セファランチンの投与は強い副作用を起こさずに、がん細胞のアポトーシスを誘導し、腫瘍を縮小させました。セファランチンは胆管細胞がんの治療に効果が期待できる可能性が示唆されています。(Cancer Sci,101:1590-5. 2010年)
がん細胞のNF-κB発生を阻害してがん細胞にアポトーシスを誘導する作用は、悪性リンパ腫でも報告されています。(Int J Cancer. 125:1464-72, 2009年.)

○細胞周期を止めてアポトーシスを誘導する。

骨髄腫細胞を使った培養細胞での実験(in vitro)で、サファランチンは骨髄腫細胞の細胞周期を止めアポトーシスを誘導する作用が報告されています。この論文の中には、セファランチンの単独投与、あるいはステロイドとの併用で、著効を示した骨髄腫の臨床例も報告されています。(Int J Oncol, 33:807-814, 2008年)

○ がん細胞の抗がん剤耐性獲得に関与するP糖蛋白の働きを阻害して抗がん剤の効き目を高める。


P糖蛋白が高発現してドキソルビシンに耐性になっている肝細胞がんの細胞株を使った実験で、セファランチンを投与するとドキソルビシンの抗腫瘍効果が増強することが報告されています。肝臓がんの36%でP糖蛋白の高発現を認めているので、肝臓がんの抗がん剤治療にセファランチンの投与を併用すると、抗腫瘍効果を高めることができます。(Int J Oncol. 24:635-45. 2004年)

○がん細胞の放射線感受性を高める。

頭頚部がんでは転写因子のNF-κBの活性が正常細胞と比べて極めて高くなっていることが知られています。NF-κBはがん細胞を死ににくくする作用があり、がん細胞が抗がん剤や放射線治療に抵抗性になる原因となっています。抗がん剤や放射線照射によってNF-κBが誘導され、さらに治療に抵抗性になることも報告されています。
ヌードマウスにヒト口腔扁平上皮がんを移植した実験系で、放射線照射の抗腫瘍効果をセファランチンが増強することが報告されています。その機序として、セファランチンはがん細胞のNF-κBの活性を阻害することによって放射線感受性を高めることが示唆されています。(Int J Oncol 31: 761-768, 2007年)
セファランチンは放射線治療の副作用を軽減する効果も報告されています。(放射線治療中であれば、セファランチンは保険で使用できます)

○ 抗がん剤のTS-1と併用して抗腫瘍効果を高める。


ヒトの口腔扁平上皮がんを移植したヌードマウスにTS-1を投与する実験で、セファランチンを併用すると、抗腫瘍効果が高まり、副作用(体重減少)が予防できることが報告されています。(Anticancer Res. 29: 1263-70, 2009)

その他、活性化したマクロファージの一酸化窒素合成酵素の活性を阻害して炎症を軽減する作用、発がん過程を促進する発がんプロモーター作用を抑制する作用、温熱療法の効果を高める作用、インターフェロンの抗腫瘍効果を増強する作用、フリーラジカル消去作用、抗ウイルス作用なども報告されています。

アルカロイドによるアポトーシス誘導作用や血管新生阻害作用やNF-κB阻害作用は用量依存的であるため、がん組織を縮小させる目的では1日20~60mgの大量投与も試してみる価値はあります。また、微小管の働きを阻害する植物アルカロイドのノスカピンとの併用も効果が期待できそうです。

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